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英国に日本語で書かれた禁止看板 「同胞のふるまい」に衝撃

 NHK『きょうの料理』『あさイチ』などで人気の料理研究家、“ばぁば”こと鈴木登紀子さん(88才)。10日間ほど、スコットランドと湖水地方、コッツウォルズ、そしてロンドンを巡る旅をしていたという鈴木さんが、イギリスの料理について語る。

 * * *
 ひと昔前までは「イギリス料理は不味い」といわれたものですが、そんなことはございません。今回の旅で、ばぁばはたくさん“オイシイ思い”をしてまいりましたよ(笑い)。

 なかでも感動いたしましたのはマッシュルーム。日本で見かける小さくてかわいらしいものではなく、直径が6、7cmはあろうかという大きなジャンボ・マッシュルームです。これを丸のままソテーしたものが朝食などで供されるのですが、もうそのおいしいことといったら! 思わずおかわりしたほどです。

 私がお料理するとしたなら…。やはりジャンボ・マッシュルームを丸のまま網で焼いて、おしょうゆをちょっと垂らし、すだちをギュッと絞っていただいたら格別でしょうね。あるいは粟麩(生麩に粟を混ぜて黄色に蒸しあげたもの)と炊き合わせるのも一興。今度、英国に参りましたら、マッシュルームを買い込んで、ぜひ試してみたいものです。

 そんな夢のような英国での滞在でしたが、コッツウォルズ滞在中に、ばぁばの夢を粉々に打ち砕く光景を、目にいたしました。

「無断で庭に入らないでください」

 立派な日本語で書かれた大きな看板が、一軒の家の門に立てかけられておりました。他の言語はありません。日本語だけで、です。

 この看板を目にした途端、私は猛烈な恥ずかしさで言葉を失いました。日本語で看板を立てるなど、よほど困り果ててのことです。

 まさか…と思って見ておりましたら、なんと、その看板のすぐ横で、塀越しに中を覗き込んでいる日本人らしきグループがいるではありませんか。そんな同胞のふるまいに、ショックで卒倒しそうになりました。

 旅の恥はかき捨て…などとんでもないこと。日本にいても、海外にいても、恥は恥です。どこに行かれても、どうか日本人としての誇り、慎ましさをお忘れなきよう。ばぁばからの切なるお願いです。

※女性セブン2012年11月1日号

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