スポーツ

プロ野球選手「戦力外通告」後に初めて密着取材される不思議

 近年、TBSの年末特番として注目を集めているのが『プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達』。所属チームから戦力外通告を言い渡されたプロ野球選手に密着し、トライアウトに挑戦する姿を追いかけ、最終的には再び契約する球団が出てくるのか、それとも引退を決意するのかを追い続ける番組だ。

 2004年のシリーズ放送開始以来、深夜帯での放送が続いていたが、2012年は放送開始時間が21時に“昇格”。年々、注目度が増していることが伺える。

 プロ野球の地上波中継がほぼ消滅しているにもかかわらず、世の中の不景気も相まってか、『戦力外通告』の人気が高まるという不思議な現象だが、この状況に、野球担当記者は疑問を投げかける。

「30歳半ばを超え、力が衰えたベテラン選手がそれでも現役にこだわり、もがく姿は美しいと思います。ですが、20代で戦力外通告される選手の中には、正直、練習を真面目にしてこなかった選手も少なからずいる。

 もちろん、ケガに泣いた選手もいれば、コーチとの巡り合わせが悪かった選手もいるので、一括りにまとめることはできませんが、努力が足りなかったから解雇される選手はかなりいるはずです。その選手たちを、美化するような風潮はいかがなものかと思います」

 実際、トライアウトの現場では奇妙ともいえる光景が見られるという。

「取材対象となった選手は、新幹線での行き帰りはもちろん、ロッカールームやベンチでも、ずっとカメラを回されています。これでは、クビになったという実感が沸きづらいのでは。もちろん、本人たちは必死でしょうし、番組スタッフも妥協せずに一生懸命作っているのはわかります。だからこそ、視聴率もよいのでしょう。

 ただ、今までプロの世界でほとんど脚光を浴びてこなかった選手が、解雇されたことによって、一日中つきっきりでカメラを向けられる。これは不思議です」(同前)

 45歳になる年まで現役を続けた落合博満(前中日監督)は、事あるごとにこう語っている。

「うまくなりたければ練習しろ。ブログ書く暇あったら練習しろ。それ以外にプロで生き残る道はない」

『戦力外通告』のカメラが回らなくなったとき、彼らの本当の戦いが始まるはずだ。

関連記事

トピックス

森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト