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プロ野球本塁打が量産され「ボールが飛ぶようになった」実感も

 日本のプロ野球へ2年前に導入された「統一球」。その効果は明白で、導入前の2010年は全球団で1605本だった本塁打が、2011年は939本、2012年は881本と、確実に減少傾向を示していた。が、今年は一変、各球団で本塁打が量産され、再び1000本超えペースとなっている。

 そのためか、プロ野球の現場ではあちこちから「ボールが飛ぶようになった」という声が上がっている。打球の伸びが違い、野手の目測を誤らせるケースも少なくない。元阪神コーチの広澤克実氏は、はっきりと語る。

「明らかに飛ぶようになったのは、昨年の夏からですよ。一番わかりやすいのはワンバウンドで内野手の頭を越えていくヒットが増えたこと。メジャーでもそんな軟式野球みたいなヒットはあり得ませんよ」

 同じく元阪神コーチの一枝修平氏も、統一球が飛ぶようになったと感じている1人だ。

「本塁打が増えているし、外野手の間を抜ける長打も多くなっている。これは打球が速くなっているからだし、チーム打率が上がっているのもボールの影響だと思うね。実際、打球音も今までと比べて甲高く響くようになった。打者が順応しているという評論家もいるが、打者は何も変わっていないよ。そんな能力のある選手はいない。ボールが変わったとしか考えられない」

 現場の選手、コーチからも同様の声があがる。セ・リーグのあるコーチは、「練習時にノックしていて感じることは、以前より5メートルから10メートルほど飛距離が違うこと」と語り、パのコーチは、「そもそも、昨年までのボールとは触った感触が違います。前はザラザラしていたのに、今年のはしっとりした感じがある。それに、打撃練習中に外野で球拾いしている人間が、目測を誤ることが多いほど、打球が伸びている」と証言する。

 統一球を供給しているミズノは、「ボールの仕様、生産、保管方法など、昨年のものと同じクオリティ」だと強調しているが、現場がこれだけ強硬にアピールする以上、やっぱり本当は飛ぶようになっているのではないのか?

※週刊ポスト2013年6月7日号

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