国際情報

韓国の市民団体が東京五輪妨害工作展開 IOCに告発文送付

 韓国は政府も国民も五輪やスポーツを政治利用することを恥と思わない。2012年のロンドン五輪のサッカー日韓戦の終了後、選手の1人が「独島(竹島の韓国名)はわれわれの領土」というプラカードを掲げてスタジアムを回ってIOCから処分され、それでも懲りずに今年7月の東アジア杯の日韓戦ではサポーターが「歴史を忘れた民族に未来はない」と書かれた横断幕を掲げて問題になった。

 搦め手からも攻めてくる。東京は「食の安全」を五輪招致の看板に掲げているが、目下、韓国では日本産の水産物からビール、化粧品まで「放射能に汚染されている」とのデマが広がり、不買運動が燃え上がっている。

 なかでも、東京五輪妨害工作の前面に立っているのが「VANK(バンク)」という市民団体だ。高校生以下の学生を中心に10万人の会員を持つとされ、主にネットを利用して様々な宣伝工作を行なってきた。

 VANKはIOCや米国の大手メディアに、「平和と博愛というオリンピックの精神に反する反韓国デモを黙認している日本に五輪を開催する資格はない」という内容の“告発文”を送りつけるなど、ネガティブキャンペーンを展開中だ。産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏が語る。

「韓国は2018年に平昌の冬季オリンピックの開催を控えているから、政府が露骨に反東京五輪を訴えれば国家の品格を疑われる。そこで一部の民間団体が表に出て反日キャンペーンをやっている。実は、VANKはこれまで竹島問題や歴史認識問題、日本海の名称問題で激しい日本批判を行なってきた政治団体です。韓国には市民団体の国威発揚活動に補助金を出す制度があり、VANKにも政府から補助金が出ているようです」

 韓国側の最終的な狙いは、日本、トルコ、スペインの集票合戦に便乗して自国に都合良く歪曲した歴史認識を各国に宣伝し、「反日国家」を増やしていくことにある。それを税金を使って未成年にやらせているとすれば、「国家の品格」が聞いて呆れる。

※週刊ポスト2013年9月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン