提訴された大谷翔平サイドの反撃で新たな局面を迎えた(共同通信社)
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟は、提訴された大谷翔平サイドの反撃で新たな局面を迎えた。訴訟の棄却を求めて提出した書類に記された新事実。被告となったスーパースターをサポートするのは、米国の法曹界では名の知れた敏腕女性弁護士だった。
米ワシントンD.C.に本社を置く国際的な法律事務所のホームページに、毛先をカールさせたブロンズヘアの女性が微笑む写真が掲載されている。その下に綴られているのは、輝かしい実績の数々。彼女の名前はローラ・D・スモロウ氏(45才)。米国の法曹界で活躍する女性弁護士の彼女に、現在、ひときわ大きな注目が集まっている。
9月14日(現地時間、以下同)、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平(31才)が巻き込まれたハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟は、新たな局面を迎えた。
その日、不動産デベロッパーのケビン・ヘイズ氏と不動産仲介業者のトモコ・マツモト氏の2人から提訴された大谷と代理人のネズ・バレロ氏(62才)が、弁護団を通して同訴訟の棄却を申請。現地メディアの『ニューヨーク・ポスト』は、《大谷の弁護団は、彼は被害者だと主張》と報じた。その弁護団のひとりが、冒頭のローラ氏だ。
「彼女はイェール大学のロースクールで法務博士号を取得し、20年近いキャリアのなかで多くの有名企業の訴訟を請け負ってきました。今回のように被告側に立って訴訟の棄却を求めた経験も豊富で、請け負った事案が、米紙『デイリー・ジャーナル』が選ぶ“Top Defense Verdicts of the year(その年のベスト防御判決)”に選ばれたこともある。近年では『アメリカのベスト弁護士』や『影響力のある女性弁護士』などと表彰されてきた敏腕女性弁護士です」(在米ジャーナリスト)
大谷が巻き込まれた訴訟とは、大谷が広告塔を務める355億円規模のプロジェクトにかかわっていた原告の2人が、大谷とバレロ氏によって不当に排除されたというもの。この主張にローラ氏らは、新事実を提示して反撃に出た。
「訴訟の棄却を求めて提出した書類のなかで、ローラ氏らは“原告が大谷の名前や写真などを契約案件とは別の『サイドプロジェクト』に無断で使用していた”“本人の許可を得ず、使用料も支払うことなく私的利用していた”と、指摘したのです。
さらに、大谷選手の代理人であるバレロ氏が原告らの解雇を求めたのはクライアントを守る立場上当然の行為であり、大谷選手を提訴する理由としては“不充分”と主張。その上で、原告らが訴訟を起こしたのは“大谷関連の権利の露骨な不正使用から目をそらそうとする必死の試み”と断じました」(前出・在米ジャーナリスト)
プロジェクトの開発会社「キングスバーン・リアルティ・キャピタル」も、大谷サイドを擁護する、こんな声明を出した。
《大谷翔平氏およびネズ・バレロ氏に対する(原告らの)申し立てはまったく根拠のないものであり、無意味なものです。キングスバーンは、ケビン・ヘイズ氏に関する対応、およびトモコ・マツモト氏をプロジェクトのブローカーから外した判断について全面的に責任を負います》