戦後80年の“慰霊の旅”を終えられた天皇皇后両陛下(JMPA)
戦後80年の“慰霊の旅”で国内外を回られた天皇皇后両陛下が、ついに最終地へのご訪問を終えられた。
「4月の硫黄島に始まり、6月に沖縄県と広島県、7月にモンゴル。そして9月の長崎県ご訪問で、“慰霊の旅”を締めくくられました。沖縄と長崎には、愛子さまもご同行。戦争の傷痕と向き合う皇室の精神を、次世代の愛子さまにも継承していきたいという両陛下のお考えが垣間見えました。
ここ最近、ご一家での活動はますます増えています。9月8日には、国際赤十字・赤新月社連盟会長のケイト・フォーブス氏とご一家そろって面会。愛子さまが勤務される日本赤十字社とのかかわりなどについて、和やかな雰囲気で語らいの場をもたれたそうです」(宮内庁関係者)
“国母”として節目の年の戦没者慰霊の重責を無事果たされた雅子さまだが、秋以降も忙しい日々が続く。9月28日、29日には国民スポーツ大会の開会式へのご臨席のため、滋賀県を訪問される。
「前回雅子さまが滋賀を訪問されたのは、皇太子妃時代の2018年です。当時は依然としてご体調に波がある状態で、ご訪問できるかどうかも出発直前まで“ご体調次第”とされていた。それだけに、皇后としての重責を完遂された上での今回の再訪は、感慨もひとしおでしょう」(皇室ジャーナリスト)
そんな滋賀は、雅子さまにとって“特別な地”である。遡ること32年前の1993年8月。ご成婚から2か月が経ち、2回目となる地方公務で同地を訪問された雅子さまは、現地での感動をこんな歌にされている。
《君と見る波しづかなる琵琶の湖さやけき月は水面おし照る》
「宿泊されたホテルの部屋から見た琵琶湖の情景を歌にされました。静かな湖面、そしてそれを照らす月光を、これから夫婦として運命を共にする陛下とふたりきりでご覧になったときの初々しいお気持ちが歌い上げられています」(前出・皇室ジャーナリスト)
この歌は、雅子さまの初参加となった翌年の「歌会始」で披露されたが、その際、とある“サプライズ”が人々の感動を呼んだ。
「その年の初めに皇族が短歌を披露しあう『歌会始』で、当時皇太子だった陛下が詠んだ歌が、雅子さまと同じく、伴侶とともに琵琶湖の水面を眺める喜びを歌ったものだったのです。恋人同士が和歌で互いの気持ちをやりとりする『相聞歌』の形式になっていました。歌会始で皇族同士が相聞歌を詠まれるのは大変珍しく、類例のない“ラブレター”だと話題になった。両陛下が相聞歌を詠まれたのは、後にも先にもこれきりです」(前出・宮内庁関係者)
両陛下は今回のご訪問でも、琵琶湖が一望できるホテルに宿泊される。
「湖畔の宿で、新婚当時のことを懐かしく思い出されることでしょう。また、その1週間後の10月5日からは、愛子さまも滋賀を訪問し、両陛下と同じ場所に宿泊されます。大学時代に日本文学を学び、和歌に造詣が深い愛子さまはご両親の相聞歌を当然ご存じのはずですから、帰京後、ご一家で仲よくお話しになるのではないでしょうか」(前出・皇室ジャーナリスト)
ご一家の団らんと笑顔が、目に浮かぶ。
※女性セブン2025年10月9日号