目的が多様化したマスクは、体調を崩してから買いに行くのではなく自宅に常備するものになり、2010年1月に小林製薬が実施した調査では7割、同年12月の白元による調査では8割の家庭がマスクを備蓄しているとの結果が出ている。普段使いが当たり前になると、機能中心では味気ないとおしゃれを加えたくなるもの。定番の白だけでなくキャラクターをあしらったものやカラフルなものが登場し、若者や女性を中心に利用されている。
和柄のガーゼマスクを2006年から販売する京都くろちく企画部の青木真弓さんによれば、今では発売当初の5~6倍は売れる人気商品になったという。
「私自身が花粉症でマスクが手放せません。せっかくマスクをつけるなら、かわいいものに、ガーゼなので洗って繰り返し使えてエコロジーにもなると企画しました。ピンク地に白い花や、ウサギなどカラフルでかわいらしいものが人気ですね」
和雑貨・小物のお店に置いてあるため同社の商品はプレゼント用に購入する人が多いが、マスクはほとんどの人が自分用に購入するという。今シーズン向けは製造の都合で発売開始が遅れたが、12月末に新商品発売すると告知したところ「やっと新しいのを作りはるんですね」と常連客から喜ばれた。
見た目も機能も多種多様になったマスクは、使用目的も多岐にわたるようになった。これからは、お出かけ用にファッショナブルなデザインマスク、健康のためには衛生機能マスク、自宅や近所への買い物用には手軽な普段使いと一人で何通りも使い分けし、マスク無しではいられない依存症の人が増えそうだ。