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動画配信サービスの競争激化 家庭の「潤滑油」として機能も

 日本でのスマートフォン世帯保有状況は49.5%、タブレットは15.3%に達している(平成24年「通信利用動向調査」より)。昨年、都市圏の地下鉄で駅間でもつながるサービスが開始されてからは、電車内でもスマホやタブレットを片手に画面を見る姿がさらに増えている。通信速度が上がり電池容量も大きくなった最近では、ニュースなどのテキストを読むだけでなく動画サービスの利用者も多い。

 速度や端末の性能が上がると、それまでは納得していた低解像度の映像では我慢できなくなるもの。より高い画質を選びたくなるのは当然だ。ユーザーが質の高いものを求めれば、より便利なサービスを提供しようと各事業者の動きも目覚ましい。

 2月末にはアメリカの動画配信サービス「Hulu」から日本向けの事業を日本テレビが買収し、テレビ局が動画配信サービスに本腰を入れると話題になった。各通信会社もNTTドコモのdビデオ、KDDIのビデオパス、ソフトバンクがUULAと動画配信サービスを充実させており、競争が激しい分野となっている。ユーザー数が伸び悩んだ時期もあるというが、競争激化が普及に弾みをつけそうだ。

 実際に、サービス拡充の恩恵を堪能している人も少なくない。40代の会社員男性は、平日の夜、自分好みのコンテンツを誰にも邪魔されずにリラックスした状態で満喫するのに、dビデオを愛用している。

「娘や妻と一緒だと、見たい番組を見られるとは限らないですからね。最初は、『闇金ウシジマくん』のオリジナルドラマを見るだけだから、と思って利用し始めたのですが、気づけば自分好みの番組を、家族に文句を言われずに楽しめるのでハマりました。画質を選べて月に500円くらいなら、無駄遣いとは言われないし自分も気にならないです」

 この男性は、端末や視聴環境によって見るコンテンツを変えているそうだ。約1万8000タイトルのなかから、仕事から帰る電車に乗ってスマホで見るときは、30分程度で見やすいアニメを、帰宅後、自分の部屋のPCでは海外ドラマやオリジナルドラマを、そして家族がいないリビングでは、映画館で見そびれた映画をテレビに接続して視聴するなど、これらのすべてを月額500円(税抜)で楽しんでいるという。

 テレビのチャンネル争いはいまや過去の話だが、自分が好きな番組を見ようとすると「(忙しい時に)何見てんのよ」「そんなくだらないもの見ないで」と文句を言われるのは今でもよくある話だ。だが、その不平不満をすべて受け入れてしまっては、お父さんのストレスはたまるばかり。

「自分の時間を確保することは、家庭にとって潤滑油にもなる」(前出・40代会社員男性)というとおり、動画配信サービスを利用することは有効な投資と考えられるかもしれない。

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