そして海産物。福島県沖の調査操業の結果、震災直後の2011年4-6月で100ベクレル/kg超の個体数が53%だったのが、2014年1-2月現在、1.7%まで下がっている。水産庁の説明によれば「海水魚は体のなかの塩類を排出させる機能が働くことから、海水の放射線セシウム濃度が低下すれば、魚体中の放射性セシウム濃度も徐々に低下」し、「無脊椎動物(貝類、タコなど)は、塩類が海水と体の中を自由に行き来しているような状態なので、海中の放射性セシウム濃度が低下するとすぐに体内の放射性セシウム濃度が低下」するという。
震災から3年が経過した。生産者と自治体が見据える全国の消費者との距離はこの3年でどれくらい縮まったのか。2013年には小名浜港近辺の食堂もほぼ再開された。その食堂で定食の小皿についてきたイカの塩辛は、この上ない極上品だった。あまりの旨さに東京に戻ってから大瓶で10数個発注したほどだ。
電話発注するとき、イカの産地を聞いた。「岩手から宮城の三陸産。旨いよ!」という答えが返ってきた。まだ道半ばである。