では、イオンのアジア戦略に死角はないのだろうか。
「もちろん国によっては出店規制で自由が利かなかったり、現地の有力な小売り企業集団との競争があったりと、イオンの独壇場とばかりはいきません。予期せぬ政情不安が襲ってくることだってありますしね。
でも、ベトナム、インドネシア、カンボジアなどは、日本と違って人口増加による消費拡大の可能性を秘めていますし、経済成長が著しく所得水準も向上しているので単価の高い日本製品が売れる土壌が整っています。さらに、モータリゼーションが進めばイオンが得意とする巨大駐車場付のイオンモールが都市部だけでなく郊外でも展開できます」(鈴木氏)
「アジアの中間所得層に対応した出店、商品改革で大きな成果をあげたい」(イオン幹部)とアジアでの拡大経営に意欲を見せる同社。海外でどこまでイオニストを増やすことができるか。