拉致被害者を拉致したまま帰さない犯罪国家に頭を下げて“訪朝させてください”とお願いする──これが自分の任期中に拉致問題を解決すると啖呵を切った首相のすることだろうか。ジャーナリストの須田慎一郎氏はさらに致命的な日本の弱点を指摘する。
「いまの安倍官邸には小泉元首相が日朝交渉を実現した際に水面下での交渉を担ったような優秀なエージェントがいません。日本の交渉力の 弱さを北朝鮮は熟知しており、その足元を見られて協議が進んでいる。
ミサイル発射にしても、核・ミサイル問題は米・中・露・韓も含めた6か国協議で話すべき問題だとして、北朝鮮は日本の反応など意に介していない。いまも昔も北朝鮮の狙いはアメリカから金ファミリー体制の保障を得ること。日本はそのための“カネを生む駒”としか認識されていない」
拉致被害者のためでも国民の安全のためでもない。自らの功名心と支持率を守りたいがために金正恩に媚び続ける安倍氏の姿は、愛国者どころかおぞましい売国奴のようである。
※週刊ポスト2014年7月18日号