国内

9日間で4回歯を治療した安倍晋三首相 歯科医師が症状を分析

 歯痛は厄介だ。夜は眠れないし、仕事をしていても集中力がなくなる。ゴルフなんてしようものなら、スコアがまとまらず苦労する。普通は歯医者に行けば、痛みは大幅に緩和される。だが安倍晋三首相の場合、ただの歯痛ではないらしい。

 安倍首相は中南米訪問から帰国した8月4日、羽田空港に到着して皇居で帰国の記帳を済ませると、そのまま衆議院第1議員会館内にある「歯科診療室」に駆け込んで約30分間治療を受けた。その慌ただしさから、政府専用機内でよほどの痛みに悩まされていたと想像できる。

 痛みは簡単にはひかなかったようだ。同じ歯科診療室に翌々日の6日、そして11日にも通い、翌12日にも静養のためにお国入りした地元・山口でわざわざ支援者の歯科医に診てもらっている。

 では、9日間に4回も治療しなければならないとなると、どんな症状が考えられるのか。歯科医師の杉山正隆氏はこうみる。

「短時間の診療を頻繁に行なっていることから想像すると、歯根嚢胞(のうほう)、根尖(こんせん)性歯周組織炎といった歯周病関連の可能性があります。

 あるいは『フィステル』。これは歯の神経を取った場所に菌が入り歯茎の一部におできのようなものができる症状です。とても痛く、ストレスや体調不良で悪化しやすい」

 官邸内部でも、首相の歯の異変は「ストレスが溜まっているのではないか」という見方が強い。

「総理はストレスを感じると歯にくるようです。昨年4月にロシアを訪問した際にも、ここ一番と臨んだプーチン大統領との首脳会談直前に歯のひどい痛みを訴えて、現地で歯医者を探せと大騒ぎになったことがある」(側近の1人)

 これには後日談がある。ロシアからの帰国後、治療を受けた現地の医療機関から高額の請求書が届いたのだ。首相自身が、昨年9月に開かれた日本歯科医師会のパーティの挨拶でこう語って会場を沸かせた。

「いよいよプーチン大統領との会談という時に、奥歯が痛くなった。あとで請求書を見て、やっぱり日本の皆保険は素晴らしいと思い、制度の断固維持を決断しました」

 強いプレッシャーやストレスに直面すると「歯に症状が出る」という人は少なくない。安倍首相の置かれた状況を見ると、支持率はジリジリ低下し43%と過去最低に(時事通信調査)。看板のアベノミクスはここに来て消費増税による大幅な落ち込みが顕在化するなど前途多難だ。そのうえ首相就任以来、50か国近くもの外遊や国内視察のハードスケジュールを詰め込んでおり、疲れが溜まっているのは間違いない。

※週刊ポスト2014年9月5日号

関連キーワード

トピックス

第1子を出産した真美子さんと大谷(/時事通信フォト)
《母と2人で異国の子育て》真美子さんを支える「幼少期から大好きだったディズニーソング」…セーラームーン並みにテンションがアガる好きな曲「大谷に“布教”したんじゃ?」
NEWSポストセブン
俳優・北村総一朗さん
《今年90歳の『踊る大捜査線』湾岸署署長》俳優・北村総一朗が語った22歳年下夫人への感謝「人生最大の不幸が戦争体験なら、人生最大の幸せは妻と出会ったこと」
NEWSポストセブン
コムズ被告主催のパーティーにはジャスティン・ビーバーも参加していた(Getty Images)
《米セレブの性パーティー“フリーク・オフ”に新展開》“シャスティン・ビーバー被害者説”を関係者が否定、〈まるで40代〉に激変も口を閉ざしていたワケ【ディディ事件】
NEWSポストセブン
漫才賞レース『THE SECOND』で躍動(c)フジテレビ
「お、お、おさむちゃんでーす!」漫才ブームから40年超で再爆発「ザ・ぼんち」の凄さ ノンスタ石田「名前を言っただけで笑いを取れる芸人なんて他にどれだけいます?」
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン