──「(再増税について)まだ何も決めていない」ということは「上げない可能性も残っている」と。
菅:法律的にもそうなっていますよね。
──もし上げないとなると、新たな凍結法案をやらなきゃならない。
菅:もちろんそうです。
──その選択肢も残していると。
菅:そうです。ですから、最終的な判断は7~9月期の数字を見て、と。これはずっと一貫して言ってますから、はい。
──仮に凍結法案なんていう話になると、それは来年の通常国会ということに。
菅:ま、あの、仮の話について私が(笑)発言するべきじゃない、と(同席した秘書に目をやりながら大笑)。
このやりとりで私が印象に残ったのは、最後の大笑いした場面だ。官邸内では税率を上げない場合の法律的な対応についても、しっかり織り込んで検討しているのである。当然といえば当然だが、そこまで喋ってしまうと、方向感がにじみ出てしまうという話ではないか。(文中敬称略)
文■長谷川幸洋:東京新聞・中日新聞論説副主幹。1953年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。政府の規制改革会議委員。近著に『2020年新聞は生き残れるか』(講談社)。
※週刊ポスト2014年9月12日号