サッカー日韓戦でも当日券の販売をしていたが、テレビ中継では空席が目立つと指摘された。人気が高いはずなのに不思議だが、それは事前に配布したチケットの量と観客席の埋まり具合を勘案しつつ当日券を販売したためらしい。綱渡りともいえる競技場の係員たちが機転を利かせたおかげで、当日券の販売が実現し、なおかつ客席から人があふれることなく試合は進行された。
「チケットの売り方など適当だと批判されるかもしれませんが、現場の臨機応変さには感心させられました。現実に競技場へ足を運んでくれる、試合を見たい人に一人でも多く見てもらうための現実的な対応とも言えます。もし、東京で同じようなことが起きた場合、あらかじめ決まっていた方法を変更してまで、目の前のスポーツファンに対応できるだろうかと考えさせられました」(競技団体関係者)
組織委員会の無計画さによる混乱は批判してしかるべきだ。そもそも、無料券を配布することよりも、前売り券を整然と販売できる仕組みを整えるのが求められるあり方だ。だが、些細なことでも「決まり」にがんじがらめになりがちな日本の運営を振り返り、6年後にやってくる東京五輪へ向け、目の前のゲストに対する柔軟性、フレキシビリティの高さは称賛し見習うところもありそうだ。