ビジネス

日本に迫る新格差社会 生き残るには資産運用しか道はない?

 世界的ベストセラーとなっている、トマ・ピケティ氏の『21世紀の資本』。同書の中には、日本について言及された部分もあり、そこから日本経済の行方を占うこともできる。同書の特徴は、カバーに記された「r>g」という、一見謎めいた数式だ。これは「資本収益率rは経済成長率gより高い」ことを意味する。家計の見直し相談センターの藤川太氏が同書を読み解き、今後の日本で進むことが予想される格差社会について解説する。

 * * *
 ピケティ氏は同書の中で日本についても言及しています。日本政府の借金は1000兆円を超え、経済規模を示すGDP(国内総生産)の2倍以上に上っています。この過剰債務をどう解消していくか。その方法は、(1)インフレ、(2)債務免除、(3)増税の3つがあるとされ、実際にアベノミクスでは(1)のインフレ目標を掲げ、(3)では消費増税などを実施しています。

 もっともピケティ氏の主張する増税は低所得者ほど負担が増す消費税ではなく、お金持ちの資産に対する課税強化であり、アベノミクスとは異なりますが、いずれにしろ、物価上昇に増税が加われば、家計の負担増は避けられません。それに見合う所得の向上があればいいのですが、そうはなっていない。多少給料が増えても負担増ラッシュに追いつかないのが実状です。このように政府が国の“借金帳消し”に向けて民間から富を収奪する情勢では、私たちは何もしなければ資産を失うばかりです。

 恐ろしいのは、その先です。「貯蓄率が高く、経済成長率の低い日本では、所得に比べて資本の蓄積が大きくなるのも自然の結果」などとピケティ氏は分析しています。加えて、人口減が進む日本では、この先、経済成長率(g)が小さくなるのは目に見えています。そうしたなか、手をこまねいていては、インフレに負けるだけでは済まない事態も想定されます。

関連キーワード

トピックス

モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン