さまざまなシルク製品がふるさと納税の特典として用意され、目玉となるのは「300万円以上の寄付」でもらえる婦人用フォーマルコート。
富岡産の希少な高級シルク「ぐんま細」を使用した130万円相当の逸品で、同市によれば完全受注生産のため、納品まで約120日かかる。これまでに県外に住む男性1人から申し込みがあった。
エスカレートする「高額化」に、ふるさと納税を推進する国も警戒気味。ファイナンシャルプランナーの前野彩氏(FPオフィスwill代表)がいう。
「単純に現金化できるものや還元率の高すぎるものはキャッシュバックとほとんど同じで、ふるさと納税の趣旨になじまない。総務省は各自治体に文書で自粛を呼び掛けています」
500万円以上の寄付額で「純金手裏剣」を贈っていた三重県伊賀市では、総務省の呼び掛けを受けて3月31日に受け付けを取りやめた。
市では4枚の純金手裏剣を用意し、うち3枚はすでに東京都の男性(1500万円を寄付)に発送済み。残りの1枚がお蔵入りとなった。
※週刊ポスト2015年4月17日号