テレビのコメンテーターには、タレント枠以外に学者や作家の「文化人枠」、元スポーツ選手の「アスリート枠」などの「枠」と呼ばれるカテゴリーが存在する。そのなかでも近年、番組側が重要視するのが「コンプライアンス(法令遵守)枠」だ。番組内の発言がネットなどで拡散し炎上することも多い昨今、スタジオに法律の専門家がいると安心できる。
2月に起きた川崎の中学生殺人事件のようなデリケートな話題でも、弁護士に話を振れば、法律や人権の観点から発言してくれるので無難に進行できるという。
同様の理由から現役医師の人気も高い。情報番組では美容や健康の話題も多いので、医師がコメンテーターにいると発言に間違いが起きない。内科医のおおたわ史絵や、産科医の宋美玄が代表格だ。
「彼女たちは医療という専門領域以外にも、一女性として恋愛や巷の流行についても語ってもらえるので話してもらえるテーマが広くなる。
一つの専門分野に特化するよりも、専門外のことをどれだけ語れるかがコメンテーターのカギとなる」(情報番組スタッフ)
※SAPIO2015年5月号