スポーツ

不振の阪神榎田 今も「バレンティンに被弾」の後遺症残る?

 阪神投手陣が波に乗れない。交流戦開始前までで防御率3.87は、セ・リーグ最下位。ストッパーの呉昇桓、セットアッパーの福原忍は安定した成績を残しているが、そこにつなぐまでの中継ぎ陣が崩壊。安藤優也、松田遼馬などが力を発揮できておらず、かつての守護神・藤川球児を獲得するという話も浮上している。

 なかでも、左の榎田大樹の絶不調は大誤算だろう。ルーキーイヤーの2011年には62試合、2012年には48試合に登板。2年連続で防御率2点台を保ち、貴重な左の中継ぎとして活躍していた。しかし、3年目に先発に転向すると、雲行きが変わった。前半戦こそ4勝を挙げ、先発ローテーションの一角として活躍したが、後半戦に失速。9月15日には、バレンティン(ヤクルト)からシーズン新記録となる第56号ホームランを浴びた。この日の榎田は、バレンティンに57号も打たれ、プロ入り最短の3回途中で降板。登録を抹消されると、以降一軍に復帰することなく、シーズンを終えた。

 翌2014年も先発の役割を任されたが、1勝もできず、途中から中継ぎに戻っている。そして、今シーズンもいまだに復活できず、防御率10点台のまま、交流戦を前に今季2度目の二軍行きが決まった。なぜ、榎田は立ち直れずにいるのか。いまだにファンからは「バレンティンへの大記録献上が影響している」という声も出ているが、一概にそうとは言えないという。スポーツライターが話す。

「過去の大記録献上投手で、榎田ほど不調に陥った例はありません。1977年、王貞治に756号を打たれたヤクルトの鈴木康二朗は、この年キャリアハイの14勝を挙げ、翌年には13勝3敗で最高勝率に輝き、チームの初優勝に大貢献しました。1986年6月、ランディ・バースに7試合連続本塁打の日本タイ記録を作られた巨人の江川卓はこの年、3年ぶりに16勝をマーク。1994年、イチローにシーズン200安打目を打たれたロッテの園川一美は、翌年イチローを12打数3安打(打率2割5分)に封じ、自身も8勝を挙げています」

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン