「AKB総選挙」の陰に隠れて(?)、ひっそりと面白い選挙が行われている。東海三県の「ゆるキャラ」の人気投票だ。大人コラムニストの石原壮一郎氏は「大人としての清き一票を考える良い機会」という。
* * *
今年も、いろんなドラマをひねり出しながら、「第7回 AKB選抜総選挙」が実施されました。6日に福岡ヤフオク!ドームで開票イベントが行なわれますが、さてさて、結果やいかに!
ま、ほとんどの大人は「どうでもいいよ」と思っていますけど、正直にそう言ってしまったら面白味がありません。「AKB選抜総選挙」の話題になったときは、せめて「7回も続いていること自体がスゴイよね」と感心したり、「政治のほうの総選挙も、そろそろやったほうがいいんじゃないの」と意識が高そうなフリをしたりしておきましょう。
AKBの総選挙はもう投票が終わっていますが、まだ実施中で、しかもCDを買わなくても参加できる総選挙があります。その名も「JIMOキャラ総選挙(中日新聞地元キャラクター総選挙2015)」。地元PRのために生み出されたキャラクター51体がエントリーし、web上で投票を受け付けつつ、ゆるいバトルを繰り広げています。投票期間は6月30日まで。
なんせ中日新聞主催なので、エントリーしているのは愛知、岐阜、三重の東海三県のキャラクターに限ります。しかし、そのあたりに縁やゆかりがなかったとしても、気を落とす必要はありません。むしろ縁やゆかりがないほうが、大人の自覚を持って、大人として自分と向き合いながら、一日に一票しか許されていない貴重な権利を行使できます。
5月28日現在の上位3体は、「かつなりくん」(愛知県刈谷市)、「ちりゅっぴ」(愛知県知立市)、「こにゅうどうくん」(三重県四日市市)の順。もしあなたが現在、会社や社会の中でそこそこの地位にいるとしたら、こうした上位勢に投票して逃げ切りを祈ることで、自分の人生を肯定する喜びを味わえるはずです。
逆に、一発逆転を狙いたい状況なら、49位の「ベリーちゃん」(愛知県北設楽郡豊根村)、50位の「ポンタ」(愛知県北設楽郡豊根村)、51位の「ツッキー」(三重県津市)あたりに投票して、いっしょに夢を見ている気持ちになるのはどうでしょう。苦戦しているキャラを応援することで、こちらが慰められたりホッとできたりという効果もありそうです。