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なでしこジャパン ドラマにたとえれば『おしん』+『篤姫』

 今回のW杯でも健闘しているなでしこジャパン。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所の山下柚実氏の目にはどう映っているか。

 * * *
 いよいよW杯も佳境へ。ベスト4まで勝ち上がってきた、なでしこジャパン。振り返れば、楽な勝利なんて一つも無かった。今大会の5試合はいずれも1点差で勝利。耐えて耐えて、泥臭く勝ち残ってきた。「根気強いことが、なでしこの個性です」と佐々木則夫監督も言う。

 サッカー観戦にはいろいろな楽しみ方がある--そう気付かせてくれるのも、女子サッカーの魅力。楽しみ方の一つが、「お国柄鑑賞」。女子サッカーは特に、プレースタイルにその国の個性が滲み出ている。

 例えば、アメリカの女子チームは、突出した力を持つ選手が前へ前へと積極的に走る。そしてゴールを狙う。身長180センチ、空中戦に抜群の強さを持つワンバック。スピードのある鮮やかな走りこみのモーガンと、個人の力が勝利を引き寄せる。最大限の身体能力とパワーを備えた選手が、膠着した局面を力で切り開いていく。

 常日頃、テレビドラマの配役や演技・演出をめぐってコラムを書いている私としては、女子サッカーを観ていると、ふとドラマにたとえてみたくなるのです。

 アメリカの女子チームは、さしずめ『24-TWENTY FOUR-』か。みなさんご存じの『24-TWENTY FOUR-』は激しいアクション、リアルタイムの進行で知られるドラマ。

 画面に刻々と進む時間が表示され、この先どう展開するかわからない。ハラハラドキドキ。国家的な危機に対して、正義感の強い孤高のヒーローが斬り込み、困難な状況を打開していく--アメリカ女子サッカーのスタイルに、どこか通じるものがある。

 一方、なでしこが2日の準決勝で対決する相手・イングランドは、規律に支えられたチーム。約束事をきっちりと守り、乱れない守備の陣形。フォワードとディフェンスがそれぞれの役割を分担し、仕事をこなしていく。

 それをドラマにたとえれば……貴族の大邸宅で、多くの使用人たちがそれぞれ違う仕事を遂行していくシーンが印象的な、英国ドラマ『ダウントン・アビー』。伯爵家の大邸宅はまるで広大なピッチ。目に見えない所できっちり仕事をする人がいて初めて、暮らしは滞りなく回っていく。イングランド女子サッカーは、このドラマの登場人物たちのように「自分の役割」に忠実で規律的です。

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