一見して“デモ初心者”とわかる70代の現役自民党員もこういうのである。
「私は地方議員だった親父の代から2代目の自民党員で、選挙になれば手弁当で自民党のセンセイを応援してきた。でも、こんなやり方には心底失望した。年が年だからやれることには限りがあるが、今後、自民党の活動には協力しないし、選挙も自民党以外に投票する。周りにもそう働きかけます」
落選運動が自然発生的に始まっていることがわかる。全国約1万4000人の学者・研究者が賛同する『安全保障関連法案に反対する学者の会』の呼び掛け人の1人で哲学者の高橋哲哉・東京大学大学院教授は、落選運動の組織化を提唱する。
「法律が成立したことで、今後は参院選、それに続く衆院選に向けた落選運動を大衆運動として広げていこうと考えている。具体的には、法案賛成議員のリストをネットで公表し、個々の議員に対して『違憲が指摘されていたのになぜ賛成したのか』『立憲主義をどう考えるか』といった公開質問を行なう。その回答もネットで公表するという方法で有権者に落選をよびかけていく。
その一環として落選運動も展開することになるでしょう。落選運動は事前運動が禁止されている特定の候補を当選させるための選挙活動ではないから、いますぐ始めることができます」
※週刊ポスト2015年10月9日号