ビジネス

就活解禁騒動に大前研一氏苦言 なぜ青田買いがいけないのか

 学生の就職活動解禁時期が、昨年に続きまた変更された。学業に支障が出る、青田買いによってミスマッチが大きいなど様々な意見が噴出し、就活解禁にまつわる騒動はまだ続きそうだ。経営コンサルタントの大前研一氏が、就活の解禁時期をめぐって議論することそのものが、どのくらいナンセンスなことかについて解説する。

 * * *
 迷走していた「就活」の解禁時期が、ようやく決まった。日本経済団体連合会は11月、新卒学生を対象にした採用活動の解禁時期を変更して来年は現行の8月から6月に前倒しする方針を発表し、8月解禁の維持を求めていた大学側がこれを受け入れたのである。

「学生を学業に専念させるため」という名目で、2013年に安倍首相から採用活動開始を8月以降とするよう要請された経団連は「採用選考に関する指針」を定めて今年の解禁時期を4月から8月に後ろ倒ししたばかりだが、これに対して学生から「かえって就活期間が長引き、学業に支障が出た」という批判が相次ぎ、わずか1年で方針転換することになった。

 これは全く意味不明、理解不能である。こんな議論をしているのは、世界広しといえども日本ぐらいのものだ。しかも、議論で出てくるのはタイミングの問題だけで、企業で役に立たない学生を粗製乱造している大学の本質的な問題についてはかむりをしている。

 そもそも、アユ釣りやズワイガニ漁じゃあるまいし、「解禁」という考え方自体が全体主義的、工業社会的な“前世紀の遺物”である。新聞やテレビは、さすがにたった1年で変更することに苦言を呈し、「新卒一括採用という方法でいいのか、再考すべき」という報道もあったが、その一方では採用選考に関する指針を廃止した場合は「青田買いが心配」とも指摘している。

 だが、なぜ青田買いがいけないのか、私はさっぱりわからない。たとえば、私の古巣のマッキンゼーでは「青田買い」が当たり前だった。

 ハーバード大学、スタンフォード大学、MIT(マサチューセッツ工科大学)などのビジネススクール別にその大学出身のリクルーター(採用担当者)を置き、各大学の施設を借りて2年生を対象に企業説明会を開催する。その後のカクテルパーティーには、学生を安心させるため、先生たちにも出席してもらう。そこでリクルーターたちが、あらかじめ目星をつけておいた成績優秀な学生に接触して青田買いに励むのだ。

トピックス

第79回国民スポーツ大会の閉会式に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月8日、撮影/JMPA)
《プリンセスコーデに絶賛の声も》佳子さま、「ハーフアップの髪型×ロイヤルブルー」のワンピでガーリーに アイテムを変えて魅せた着回し術
NEWSポストセブン
宮家は5つになる(左から彬子さま、信子さま=時事通信フォト)
三笠宮家「彬子さまが当主」で発生する巨額税金問題 「皇族費が3050万円に増額」「住居費に13億円計上」…“独立しなければ発生しなかった費用”をどう考えるか
週刊ポスト
畠山愛理と鈴木誠也(本人のinstagram/時事通信)
《愛妻・畠山愛理がピッタリと隣に》鈴木誠也がファミリーで訪れた“シカゴの牛角” 居合わせた客が驚いた「庶民派ディナー」の様子
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
「何か大変なことが起きているのでは…」米倉涼子、違約金の可能性を承知で自らアンバサダー就任のキャンセルを申し出か…関係者に広がる不安がる声
NEWSポストセブン
ドイツのニュルンベルクで開催されたナチ党大会でのヒトラー。1939年9月1日、ナチ・ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発した(C)NHK
NHK『映像の世紀』が解き明かした第二次世界大戦の真実 高精細カラー化されたプロパガンダ映像に映る国民の本音、老いて弱りゆく独裁者の姿
週刊ポスト
大阪・関西万博を視察された天皇皇后両陛下(2025年10月6日、撮影/JMPA)
《2回目の万博で魅せた》皇后雅子さまの気品を感じさせるロイヤルブルーコーデ ホワイトと組み合わせて重厚感を軽減
群馬県前橋市の小川晶市長(共同通信社)
「ドデカいタケノコを満面の笑顔で抱えて」「両手に立派な赤ダイコン」前橋・小川晶市長の農産物への“並々ならぬ愛”《父親が農民運動のリーダー》
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(共同通信)
《やる気スイッチ講師がわいせつ再逮捕》元同僚が証言、石田親一容疑者が10年前から見せていた“事件の兆候”「お気に入りの女子生徒と連絡先を交換」「担当は女子ばかり」
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月7日、撮影/JMPA)
《再販後完売》佳子さま、ブラジルで着用された5万9400円ワンピをお召しに エレガントな絵柄に優しいカラーで”交流”にぴったりな一着
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷が“即帰宅”した理由とは
《ベイビーを連れて観戦》「同僚も驚く即帰宅」真美子さんが奥様会の“お祝い写真”に映らなかった理由…大谷翔平が見計らう“愛娘お披露目のタイミング”
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《山瀬まみが7ヶ月間のリハビリ生活》休養前に目撃した“スタッフに荷物を手伝われるホッソリ姿”…がん手術後に脳梗塞発症でICUに
NEWSポストセブン
京都を訪問された天皇皇后両陛下(2025年10月4日、撮影/JMPA)
《一枚で雰囲気がガラリ》「目を奪われる」皇后雅子さまの花柄スカーフが話題に 植物園にぴったりの装い
NEWSポストセブン