国際情報

国連PKOの現場で中国兵士が激増中 これから何が起こるのか

 国連PKO(平和維持活動)における「中国の貢献拡大」策に世界が驚いた。そこには悪化した「国家イメージ」を回復する習近平政権の狙いが透けて見える。防衛省防衛研究所主任研究官の増田雅之氏が解説する

 * * *
 2015年9月、中国の習近平国家主席はニューヨークの国連本部で開かれたPKOサミットで大規模な貢献拡大策を打ち出し、場内から喝采を浴びた。

 習主席は「PKOは世界の平和と安全を維持する重要なツール」と訴え、人民解放軍内に8000人規模のPKO待機部隊の創設、諸外国への2000人の要員訓練プログラムの提供、警察部隊の常設化、工兵部隊や輸送部隊・医療部隊の派遣増加を次々と表明。さらに即応部隊を建設するため、5年間で1億ドル(約120億円)をアフリカ連合に提供することを明かした。一個師団に相当する8000人規模の待機部隊を人民解放軍が創設するインパクトは大きい。

 今後、PKOの現場では中国兵のさらなる増加に伴って中国人の部隊指揮官や司令部要員も増加し、意思決定に関わるケースが増えることが予想される。また、外国軍と共同で複雑かつ危険なPKOミッションや訓練に取り組むことで、人民解放軍にとっては経験値が大幅にアップするというメリットがある。

 世界のPKOミッションのうち、3分の2を占めるアフリカへの関与が強まることも、中国の利点となる。中国とアフリカの強い結びつきは当地の資源獲得や貿易拡大にもつながるからだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン