面白いもので、私が余命わずかと判明したら急に注目を浴びて、こうしてメディアからの取材を受けるようになった(笑い)。
10年ほど前に、ある出版社からの依頼で、般若心経を解説する本の原稿を書いたのですが、趣旨に合わなかったのかお蔵入りにされてしまった。それが今回、別の出版社から出すことができたんです(『般若心経の秘密』電気情報社刊)。
私はこの20年、30年、ずっと「日本の病院にもスピリチュアル・ケアワーカーが必要だ」と訴え続けてきたのですが、自分の番が来たら、ようやく耳を貸してもらえるようになった。
「危機」という言葉の「危」は危険という意味ですが、「機」は機会、チャンスという意味で、危機こそチャンスです。それも最期のチャンスだと考えています。
※週刊ポスト2015年12月25日号