全国webカウンセリング協議会理事長の安川雅史さん
スマホを持つ子供も増えた今、増えつつあるSNSでの悩み。北海道で高校教師を務めた後、2005年に『全国webカウンセリング協議会』を設立。ネットによるいじめ問題、不登校、ひきこもり、少年犯罪の対策に取り組んでいる全国webカウンセリング協議会理事長の安川雅史さん(50才)に話を聞いた。
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SNSは、インターネット上で人と人がつながれるコミュニティーサービスです。登録して、誰かとつながり、日記を書いたり、誰かの日記にコメントをつけたりすることで、情報交換や会話を楽しめます。「mixi」「Twitter」「Facebook」「LINE」が代表的なSNSです。
私が理事長を務める『全国webカウンセリング協議会』には、子供のSNS使用について、保護者から毎日相談が寄せられます。年々増えていて、今では年間400件にもなります。
なかでも「子供がずっとSNSをやって困る」という相談がいちばん多いです。他には「日記に勝手に友達の画像を載せてしまった」、「SNSで知り合った見ず知らずの人に会いにいってしまった」など、内容は多岐にわたります。
スマホを持つこと自体を禁止すればいいかというと、そうではありません。今の子供は親がスマホを買い与えなくとも、自分で買えます。中古書店などでは、身分証明書が必要なく、1000円ほどで買えるところがあります。親に内緒で買っている子もいます。
また、ゲーム機などでもSNSはできます。スマホやゲーム機でSNSをするためには、ネット回線が必要ですが、今や、ファストフード店やコンビニで無料Wi-Fiがありますから、そこに行けば、ネットにつなげられる。つまり、子供がSNSをするのはもう仕方がないと思ってください。
では、親に何ができるのか。まず、SNSとは何かを自分たちで深く理解してください。何も知らないで、ただ一方的に「やめなさい」では子供は納得しません。SNSを使って、何ができて、どういう危険性があるのか。親がそれを学ぶ必要があります。
冒頭で話したように「勝手に友達の写真をアップする」「知らない人に会いに行ってしまう」など、そうしたSNS上で起こりうるリスクを親が考えて、ひとつひとつなぜそれがいけないか説明するんです。
SNSとのつきあいかたは、つまりモラルの問題だと思います。ただ、ネットを介したコミュニケーションというだけで、本質的にはアナログのコミュニケーションと変わりません。
今、「LINEいじめ」が深刻な問題となっています。普段から親が家庭で「いじめ」についてきちんと教えていれば、LINEだろうと、対面だろうといじめはしません。親のモラルが問われていると思います。
※女性セブン2016年2月4日号