◆検査をするなら断然、内視鏡検査
大腸がんの検診には、さまざまなものがある。医師が指を肛門に挿入する直腸指診やバリウムを注入する注腸造影検査、カプセル内視鏡、便中の血液を調べる便潜血検査、CTスキャン、そして内視鏡検査などだ。
まず、便潜血検査が行われることが多いが、工藤さんは初めから内視鏡検査を受けることをすすめる。その最も大きな理由は、工藤さんが発見した「陥凹型がん」を高確率で発見できる唯一の検査だから。
「陥凹型がんは約200例に1例ほどではありますが、正常粘膜が突然がん化するもので、進行が早く、死亡率が非常に高いものです。一般的なポリープ状のがんと違って、凹んでいるため、便とぶつかっても出血せず、発見が難しいのです」
その点、内視鏡検査では色素で腸を染めることにより、陥凹型がんが浮き上がるように見えて、発見しやすいのだという。
内視鏡検査がおすすめの理由がもう1つある。それは、検査中に悪性のポリープや早期がんが発見できた場合、その場で内視鏡による切除ができるからだ。
がんと聞くと、入院や手術などを思い浮かべるかもしれないが、大腸がんの場合、早期ならば型にかかわらず検査と同時に治療ができるので、思った以上に簡単に治すことができるのだ。
※女性セブン2016年2月25日号