もともと保育園・幼稚園の“商圏”は狭い。だいたい半径3~4km。お互いに顔を見て接する範囲である。顔を見ながらケアすることは、基本的に家族やコミュニティが最優先で取り組むべきであり、国が全国一律に指示することではない。コミュニティが住民のニーズに応じたコミュニティらしい解決策を、できる範囲でやればよいのである。

 地方によっては乳幼児がごく少数しかいない町や村もあるだろうし、逆に都心部ではタワーマンションが次々と建ったために乳幼児が急増した地域もあるだろう。コミュニティによってニーズは全く異なるから、それぞれ個別対応が必要なのである。この原則に基づかない限り、待機児童問題は解決できないと思う。

 具体的には、株式会社をはじめとする民間で取り組むべきだと私は考えている。保育園と幼稚園、認可と認可外といった定義に関係なく、民間が厚労省や文科省の基準に縛られずに、自由に特色を出していけばよいのである。

 たとえば、英語や中国語を教えてくれる保育園があったら、希望者が殺到するに違いない。バレエや音楽などのレッスンも人気を集めるだろう。地域に評判のいい先生がいたら、その人を自治体がインストラクターとして各施設に1週間ずつ派遣するというような方法も考えられる。

 あるいは、土曜日や日曜日に仕事が休みであっても預かってくれるとなれば、親が自分の時間を確保できるから、魅力を感じる人は多いはずだ。もちろん、土日が仕事で平日が休みの親は大歓迎するだろう。

 園児の安全や保育の質を確保するのは当然の上で、そういった多種多様なサービスを提供する民間の保育施設を、自治体の裁量で増やせるようにすべきなのだ。場合によっては保育料が高額になってしまうところも出てくるだろうが、それを払うだけの価値があるかどうかは、親が判断すればよいのである。

※週刊ポスト2016年5月20日号

トピックス

森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト