韓国は今も昔も競争が激しい。競争が激しいから嫉妬も強い。興亡、盛衰の激しい大陸にぶら下がった半島民族、半島国家の、なりふり構わない生き残りのための“文化”だろうか。その際、相手に勝つには自助努力も必要だが、相手の足を引っ張って引きずり下ろすのが手っ取り早い。
韓国でよく使われることわざに「イトコ(親戚)が土地を買えば腹が痛くなる」というのがある。「身内が金持ちになると腹が立つ」というわけだ。韓国人には日本に対し過去の支配・被支配の歴史からくるある種の“身内意識”があり、さらに近年の経済発展・国力増進による日本とのある種の接近感もある。
「日本に追いつきつつある」あるいは「追いついた」という意識が日本への嫉妬心を強くし、日本の足をしきりに引っ張ろうとする心理になっているのだ。その意味ではすべてに圧倒的な格差のあった昔より、その心理はむしろ強くなっているのかもしれない。日本としては国際的に韓国の存在感と影響力が大きくなっているだけに、以前のように笑って見過ごすわけにはいかなくなっている。
【PROFILE】1941年生まれ。京都大学卒業。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長を経て産経新聞ソウル駐在客員論説委員。著書に『決定版どうしても“日本離れ”できない韓国』(文春新書)、『韓国はどこへ?』(海竜社刊)など多数。
※SAPIO2016年7月号