海老蔵の強烈眼力で見つめられて、メロメロにならない女はおりまっせん! ふつうの女子ならめまいで倒れてます!
思えば、五右衛門は初回に捕り方に囲まれ、危機一髪という瞬間、金蔵が操る巨大な黒いコウモリ型の凧に乗って、見事脱出したのだった。バットマンもびっくり。三話では、追われた五右衛門一家が、次々と大きなつづらに入り、捕り方がさんざん槍で突いたものの、開けてみたらもぬけの殻で、五右衛門らはつづらの穴の下から脱出に成功していた。
いったい凧はどこから飛んできて、凧糸はどこに固定してるんだよ、などと突っ込みたい人は多いと思う。しかし、細かいことにこだわらないのは、エンタメ時代劇のお約束なのである。五右衛門が軽く指パッチンしただけで指先に火がつき、特大の煙管からプカーっと煙をはいたって、悪の剣豪榊役のプロレスラー棚橋弘至が思いっきり振り下ろした刀を五右衛門が真剣白刃取り(素手で刀をぱっちんとはさんで止める)しても、オールオッケー。どこまでもミラクルを追求してもらいたい。
それにしても、私が見ていて一番のミラクルは、ここ一番のときに出てくる五右衛門のあの大きな頭。巨大なキノコのようなこんもりしたあの髪型は、「五十日鬘」と言われるらしい。当時の男は五十日伸ばしっぱなしにするとあんな形になるとのことだが、あの重そうな頭で、アクションする海老蔵はすごい。
五右衛門は最後に捕えられ、釜茹での刑に処せられたとも言われるが、海老蔵五右衛門は果たしてどうなるか。まさかのミラクルがあるかも。期待したい。