都内に5年以上在住していること。現在守っている「親族の遺骨」があること。遺骨に対して葬儀の喪主を務めたなど祭祀の主宰者であること。「再貸付」の応募は、以上3つの条件を持つ人に限られ、価格は一般埋蔵施設(普通のお墓)で青山霊園なら1.6平方メートルが437万6000円から、八柱霊園なら1.75平方メートルが34万1250円からなどさまざまだが、いずれも絶大な人気を博している。

 今年度は、3万1003人が応募し、倍率は一般埋蔵施設に限っても6.1倍となった。

「2年続けて落選しましたが、来年も応募しますよ。予算は600万~700万円。大きい声では言いませんが、やはりステータスじゃないですか。青山霊園にお墓を持ちたいんです」

 先般、こう明かした都内の開業医(65才)がいた。

 目下、彼は4年前に亡くなった父の遺骨を多磨霊園の「一時収容施設」に預けている。お墓を取得するまでの間など、一時的に遺骨を預かってくれる施設だ。この父の遺骨で青山霊園を申し込み、当選したら故郷・中国地方の霊園にある祖父母と母の遺骨も持ってくるつもりだと言った。

 私の周りには「死んだらそれまで。お墓にお金をかけたいという発想はない」という人が大多数だから、「お墓はステータス」という彼の心持ちが新鮮である。

 そんなこんなをつらつら考えながら都立霊園を歩いて、見えてきたのは、新規にお墓を持つ人、持っていたお墓を手放す人、そして持っていたお墓を放置して無縁にさせる人、この3者が墓地にうごめきあっていることだ。もっと言えば「今、お墓が動いている」と思えてきた。

「これまでの地縁血縁社会では、お墓は『永続性、尊厳性、固定制』という性格を持っていましたが、家族形態が多様化し、人々の意識やライフスタイルの変化によって、大きく変わってきています」と、京都女子大学宗教・文化研究所客員研究員の槇村久子さんは言う。

 槇村さんがかかわり、2003年と2011年の全国の男女2000人に実施した調査による『わが国の葬送墓制の現代的変化に関する実証的研究』では「お墓を守っていくのは子供の義務」と考える人が、87.7%から62.3%に減った。「守る」ためにお墓が動くのか、それとも「守らなくていい」から動くのか──。

※女性セブン2016年12月1日号

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