死後離婚の理由として多いのは次の4つだという。
【1】生前夫とうまくいっていなかったが、遺産と遺族年金を受け取るために夫が死ぬのを待っていた。
【2】夫と仲は悪くはないが、夫の実家と折り合いが悪かった。
【3】夫の死後、お墓の管理や親族の介護などをしたくない。
【4】姻族との繋がりから自由になりたい。
都内に住む森本薫さん(60・仮名)は、【2】と【4】の理由だった。白血病で夫を亡くした後、義父母と共に実家で暮らす必要性を感じなくなり、死後離婚した。
「義父は商売をしており、夫は家業を継いでいました。夫がいた頃から、同居していた義父母のために家事の一切をやるのが私の務め。今までは二代目の妻としての仕事だと割り切っていたけど、子供も独立し、もう母でも妻でもなくなった私にその義務はないと気づいたんです。“死後離婚したい”と言った時に、義父母は“30年以上一緒に暮らしたのに薄情だ”と言ってきたけど、義理の家族を続ける理由はどこにもない。ようやく自由になれた気がします」
※週刊ポスト2017年2月27日号