可愛い愛犬が、まさかの自分の糞を食べていた──。決して珍しくないという、犬のこの行動。千葉県の女性からは、こんなお悩みが届いた。
「1才になる愛犬が自分のウンチを食べているのを見てしまいました。すぐにやめさせましたが、とてもショック! これってウチだけでしょうか? どうしたらやめさせられますか?」(千葉県・かきくけ子、35才・主婦)
この相談に、白金高輪動物病院総院長の佐藤貴紀さんがアドバイスをする。
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動物が自分の糞を食べる行動を“食糞”といい、かきくけ子さんのお宅に限らず、犬によく見かけられる行為です。
特に、幼犬(1才~1才半ぐらい)の食糞は異常行動ではなく、成長とともに自然となくなるケースがほとんど。しかし、成犬でも見られる場合は、嘔吐や下痢を引き起こして消化器に悪影響を及ぼしたり、歯周病の原因となる可能性があるので、やめさせる必要があります。
◆食糞の原因で最も多いのが“食事の量が足りていない”
成長に合った正しい食事量をもらえていないと、犬は空腹状態が続き、なんでも食べてしまいます。こういったケースでは誤食も多く危険です。まずは適正な食事量を獣医師などに確認し、きちんと与えましょう。
また栄養の偏りや、栄養不足が原因のことも。特にミネラル不足の場合は、動物病院で検査を行い、必要であればサプリメントなどをのませてください。そのほか、消化機能の低下も考えられます。食事を消化吸収する機能が落ちていることで、糞に未消化なフードが混ざり、それをフードと思い、食べてしまうのです。フードによっては、消化しにくい植物性たんぱく質を多く含んでおり、未消化のまま糞に混ざり、それを再吸収しようと食糞するケースも。
食事を適正量与えても食糞が続く場合は、消化しやすいフードに切り替えるなど、食事を見直してみてください。
◆厳しく怒るのは逆効果! 隠れて食糞するようになる
犬はストレスを感じると、噛みつく、トイレではない場所で排尿排便をするなどの異常行動をとります。食事が適正でも食糞が止まらない場合は、ストレスが原因として考えられます。この場合、まずはストレスの原因を排除しましょう。
また、トイレトレーニング中に、糞をして怒られると、食べて隠そうとする子もいます。トイレを失敗しても、厳しく怒らず、褒めてしつけることも大切です。
飼い主は、愛犬が糞をしたらすぐに片づけ、さらに糞を食べようとした時、怒ったり、大声を出すのではなく、糞にしつけ用の苦い味がするスプレーをかけるなどして、学習させる方法がおすすめです。
※女性セブン2017年3月2日号