国内

森友学園運営の保育園 退園した保護者の勤務先に苦情入れる

森友保育園に子供を預けていた母が怒りの告発

 大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友学園」に大幅に安い価格で売却された問題では、森友学園の教育方針にもスポットが当たっている。森友学園が運営する「塚本幼稚園」では、運動会の選手宣誓で園児が「安倍首相頑張れ! 安倍首相頑張れ!」と連呼。毎朝の朝礼では教育勅語を朗唱していた。

 同じく森友学園が運営する「社会法人肇国舎高等森友学園保育園」(大阪市淀川区、以下・森友保育園)も普通ではない。

「安倍首相は“すべての女性が輝く社会づくり”を推進しているけど、あの保育園で行われているのは真逆の教育です」

 こう怒りを露にするのは、森友保育園に子供を通わせていた母親のAさんだ。小学校教諭のAさんは2015年4月から2才の息子を森友保育園に預け始めた。

「大阪市の保育園標準時間は朝7時半から18時半です。市の募集要項にもそう記載されていたので安心して入園させたのですが、森友保育園は朝8時から16時半までしか預かってくれなかった。私は勤務先の小学校に8時までに通勤する必要があり、担任クラスも持っていたので16時半までの迎えは到底無理でした」(Aさん)

 困ったAさんは保育園に「なんとか標準の時間帯でお願いできないか」と頼んだが、にべもなく断られた。

「それどころか、すぐに『預かる預からない以前の問題』と書かれた園長(森友学園の理事長夫人)からの手紙が届きました。園長の考えは、基本的に女性は家を守り、育児や家事を担うというもので、女性が外で仕事することに反対の立場でした。私は手紙を見て大きなショックを受けました」(Aさん)

 園との交渉は一向にラチが明かず、区役所に相談しても転園を勧められるだけ。子供のためにどうすべきか──悩んでいると園長から再び手紙が届いた。そこには次のように記されていた。

〈朝ごはんも夜ごはんも自分で作らないで、人の子に何を教えられるのでしょうか〉
〈わがままやめなさい〉

 Aさんは憤りを隠さない。

「脅迫まがいの内容に恐ろしくなり、夫の勧めもあって子供を退園させました。すると勤務先の小学校にまで、『A先生に苦情があります。電話に出てください』という匿名の電話が何度もあり、『生徒たちに迷惑がかかるからやめてください』と伝えても、『それは私も一緒です』と言われました。怖さと不安が募って心身のバランスを崩し、今は学校を休職しています。あの保育園は、女性が社会で働けないように妨害しているとしか思えません」

 本誌・女性セブンは森友学園に取材を申し込んだが、不在などを理由に取材はかなわなかった。

※女性セブン2017年3月16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
吉田鋼太郎と夫婦役を演じている浅田美代子(『あんぱん』公式HPより)
『あんぱん』くらばあ役を好演の浅田美代子、ドラマ『照子と瑠衣』W主演の風吹ジュン&夏木マリ…“カッコよくてかわいいおばあちゃん”の魅力
女性セブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
麻薬密売容疑でマグダレナ・サドロ被告(30)が逮捕された(「ラブ・アイランド」HPより)
ドバイ拠点・麻薬カルテルの美しすぎるブレイン“バービー”に有罪判決、総額103億円のコカイン密売事件「マトリックス作戦」の攻防《英国史上最大の麻薬事件》
NEWSポストセブン
宗教学者の島田裕巳氏(本人提供)
宗教学者・島田裕巳氏が皇位継承問題に提言「愛子天皇を“中継ぎ”として悠仁さまにつなぐ柔軟な考えも必要だ」国民の関心が高まる効果も
週刊ポスト
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《あだ名はジャニーズの風紀委員》無期限活動休止・国分太一の“イジリ系素顔”「しっかりしている分、怒ると“ネチネチ系”で…」 “セクハラに該当”との情報も
NEWSポストセブン
夫・井上康生の不倫報道から2年(左・HPより)
《柔道・井上康生の黒帯バスローブ不倫報道から2年》妻・東原亜希の選択した沈黙の「返し技」、夫は国際柔道連盟の新理事に就任の大出世
NEWSポストセブン
新潟で農業を学ことを宣言したローラ
《現地徹底取材》本名「佐藤えり」公開のローラが始めたニッポンの農業への“本気度”「黒のショートパンツをはいて、すごくスタイルが良くて」目撃した女性が証言
NEWSポストセブン