国際情報

「台湾国」パスポートで日本に入国 中国当局が抗議

「台湾国」のパスポートが波紋を呼ぶ(台北)

 実際には実在しない「台湾国」というシールを張ったパスポートを提示して、入管を通り抜けようとして、入国を拒否され、そのまま台湾に強制送還されるケースが香港、マカオ、シンガポールなどで相次いでいる。ところが、日本の羽田空港で「台湾国」パスポートを入国審査で提示した台湾人女性が、入管し日本入国に成功した。

 これを中国紙の電子版の記者が目撃し、写真付きで報道したことで、ネット上で拡散し、中国大陸でも大きな話題になっている。中国政府で台湾問題を担当する中国国務院台湾事務弁公室の記者会見でも記者が質問したところ、中国政府が正式に日本側に対して、入管業務を厳格に行うよう求めていたことが分かった。ネット上での情報をもとに、中国政府が第3国に抗議を行うのは極めて異例。

 台湾メディアによると、台湾のパスポートは表紙に上段に「中華民国」、その下段に「REPUBLIC OF CHINA」と大きく書かれており、その下の円形のなかに、台湾の青天白日旗にある太陽のマークが描かれている。

 ところが「台湾国」パスポートは、そこに「台湾国」「REPUBLIC OF TAIWAN」、円形にはクマなどの絵柄が収まっているシールが本物のパスポートに張られている。表紙だけ見れば、「台湾国」という国が発行したパスポートとなってしまう。

 これは台湾独立を目指す団体が作ったもので、独立支持者が勝手にシールを張り付けて、いろいろな国に入国しようと試みている。これで、入国して台湾の独立を既成事実化しようともくろみだ。

 昨年1月ごろからこれまでの「台湾国」のシールを貼って出国しようとした台湾人は累計180人以上なり、シンガポールやマカオ、香港では入国審査官に摘発され、大半が台湾に強制送還されたという。摘発された後、「これはいたずらでした」として、シールをはがしても、入国を認められなかったケースもあるという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン