たとえば、走り高跳びの「背面跳び」を考えりゃわかりやすい。みんなが「挟み跳び」や「ベリーロール」をやってたなかで、1968年のメキシコ五輪ではそれまで誰も想像しなかった背面跳びをやる選手が出てくる。そういう革命的な発想が、テレビという表現の世界でも壁をぶち破るはずなんだよ。
70歳になったオイラがこれからそれをやってのけることができればいいけど、もしかしたらそんな革命を実現するのは、これまでのテレビ業界とは全く関係ないヤツかもしれない。大事なのは、テレビにそういう天才を受け入れる土壌があるかだよ。
※SAPIO2017年5月号