まだ30代前半なのにルルの金遣いは荒かった。その晩は機嫌が良かったのか、指名したホスト2人に通常支払うチップの数倍の額、合計で1万元(約15万円)を支払っていた。ヘルプでついた私も500元のチップをもらえた。酒代なども含め、ルルは一晩で2万元(約30万円)近く使った。しかも彼女は週1回のペースで来店しているらしい。典型的な富裕層二世「富二代」の彼女は、真っ赤なアウディを店のスタッフに代行運転させ帰っていった。
夫婦で来店する客もいた。「社長」、「社長夫人」とみんなから呼ばれていた40代のペアで、20代のモデル系美人の女性を連れていた。夫婦で来店というのは少々不可解だったが、盛り上げ役の太鼓持ちを付けて酒宴を楽しもうという趣旨なのだろう。
また既製のタバコでない、おそらく大麻を吸う女性も何人かいた。もちろん中国でも違法だ。
※SAPIO2017年5月号