「能力が同じなら女性を優先するということに、合理性がありません。今はそんな時代ではないでしょう。男女平等の考え方が浸透し、企業も男女を問わず優秀な人材を欲しがっている。あえて女性を優遇しなくても、普通に採用していれば、女性が半分になるはず。
そもそも『女性活躍』という言葉が胡散臭い。女性を活躍させるために就職させるというのは、本末転倒。優秀な女性を活用するというのが本筋のはずです」
“官製”の女性優遇は就職時だけではない。厚労省や都道府県の労働局が、女性の再就職支援事業を行ない、企業に対して女性採用を働き掛ける試みも始まっている。
東京都産業労働局は、就職や求職支援を行なう「東京しごとセンター」を運営しているが、平成26年7月から「女性再就職支援」事業を開始した。女性を対象に、カウンセリングや事務基本知識(ビジネスマナーや電話応対、書類作成・管理)に関するセミナー、パソコン教室(ワードやエクセル)、職場体験などを実施している。さらに、求人会社の条件が求職者とマッチしていない場合、求職者に代わって企業と勤務時間や職場の調整もする。
まさに至れり尽くせりである。企業に対しては、女性の雇用促進や育休、再就職のための助成金として「事業所内保育施設設置・運営等支援助成金」や「中小企業両立支援助成金」も用意されている。
※週刊ポスト2017年5月26日号