これは国会だけじゃなくて、ツイッターをやっていても思うことなんだけど、どうも右か左かとか、安倍首相を支持するかどうかとか、そういう二元論の立場ありきで、発言する人が多い。たとえば、百田尚樹先生の一橋大学での講演会が、先生の理念に反対する人々の圧力もあって中止になった件もそう。あれは、明らかな言論弾圧だ。どんなイデオロギーを持っていたとしても、発言の場を不当に奪われることはあってはならない。しかも、それが学問の場であればなおさらのことだ。様々な意見に触れて、そこから知見を深めて、たくさん考えていくのが学問というもので、大学は一部の人々の考えを押し付ける場所ではないんだよ。
でも、なぜかネットではこの講演会の件も「ネトウヨvs左翼」みたいな構図で語られてしまう。そういうことではないと思うんだ。もちろん、僕は百田先生を尊敬しているし、だからこそ今回の件にも興味を持ったわけだけど、これが百田先生とは異なる考えの人の講演会が潰されたとしても、同じく「言論弾圧だ」と批判していたよ。発言の場を奪われることは、筋が通っていないからね。
ところがネットでの反応を見ていると、“右か左か”で発言している人が多すぎる。自分の立場ありきでものを話すから、まったく議論も噛み合わないし、建設的な結論も生まれない。これは本当に情けないことだ。
──思考停止状態という感じでしょうか?
高須:そう。特にリベラルを自称している人々は、安倍政権を批判するためなら何をしてもいいと思っているのか、時にすごい罵声を浴びせてくる人もいる。それで人権を守りたいというのだから、とんでもなく矛盾しているよ。そんな状況は明らかにおかしいと思うから、僕は民進党を提訴したし、百田先生の助太刀をしようと思っている。正しいことをするために、僕は戦う姿勢を見せているんだよ。
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筋を通さない最近の野党や自称“リベラル”な人々に苛立ちを覚えている様子の高須院長。何があっても筋を通していくその姿勢、かっこいいです!
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)、『行ったり来たり 僕の札束』(小学館)など。最新刊は『ダーリンは71歳・高須帝国より愛をこめて』(小学館)。