この「落選運動」は議員として相応しくないと考えられる候補の名前を挙げて「××を落選させよう」「当選させるな」と口コミやインターネットで呼び掛ける運動だ。

「特定の候補を当選させる」行為である選挙運動ではないことから、18歳未満など有権者でなくても参加できるし、呼びかけるのが公示期間中でも、投票日当日でも公選法には抵触しない。

◆「受け皿」は作れる、作りやすい!

 具体的には、ネット上に選挙区ごとの“落選候補取引所”を開設し、全国の落選運動参加者が集まって、「私は自分の選挙区であなたの落としたい××候補を落とすから、あなたの選挙区では△△候補を落としてほしい」と投票行動を交換する方法もある。「ボート・スワッピング」と呼ばれ、海外では実際に行なわれたことがある。

「安倍首相は疑惑には『丁寧に説明する』といい、内閣改造で『結果本位の仕事人内閣』といいながら、臨時国会で何の説明責任も果たさず、大臣にも仕事をさせないまま自分の都合の悪いことから逃げて解散しようとしている。国民を舐めていると思われても仕方がない。

 じゃあ、野党はこのまま指をくわえて不戦敗に甘んじるのか。自民党が反自民の有権者に投票に行かせまいとしているのだから、野党は逆に、そうした有権者のために大きな受け皿を用意すればいい。超短期決戦だから政策は違いはあっても逆に“エイ、ヤァ”で野党共闘ができるチャンスではないか。反自民票の受け皿ができれば落選運動をやる側も力が入る。自民党のこの候補を落選させようという運動がうねりとなって全国に広がれば、選挙結果は安倍首相の想定と大きく違ってくるはずです」(前出・上脇氏)

※週刊ポスト2017年10月6日号

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