「言葉が届きにくい時代になった」と語る仲畑貴志さん


「広告業界でも、労働環境の問題が指摘されるなど、社会的に働き方改革が課題となっています。もし今、『24時間戦えますか』というコピーが世に出てきたら、批判の対象になるのは間違いない。『私はコレで会社をやめました』だって、不倫を容認しているのかとなるでしょうし、『男は黙ってサッポロビール』も性差別だといわれかねません。昔からどんなコピーにも嫌いという人はいたと思いますが、最近は嫌いと思った瞬間にネットでつぶやいて、その声が可視化されてしまう。広告もその声に向き合わざるを得なくなっている窮屈さはありますね」(谷口編集長)

 だが、少なくはなったとはいえ、ライザップの「結果にコミットする。」のような誰もが知っている名コピーも生まれているのも事実である。

 逆風のなかで誕生したコピーは、これまで紹介してきたコピー以上の名コピーとなる可能性も高い。そんな話を当のコピーライターたちに向けると、思いがけない答えが返ってきた。

「ゴッホは亡くなった100年後に評価があがりましたが、商品広告が100年後に注目されてもまったく意味がない。コピーは時代を映す鏡でなければならないですから。それくらい潔いからコピーは魅力的なんだと思います」(尾形さん)

「仲畑さんのコピーは普遍的だねって言われても褒め言葉じゃないの。コピーはその時期に使われまくって疲弊して、まったく価値をなくすくらいの方がカッコいいと思うね」(仲畑さん)

 時代、時代で一瞬の輝きを放ち、役目を終えれば儚はかなくも消えていく。そんな刹那的なコピーだからこそ、言葉に社会を動かすような大きな力が宿るのだろう。

 そして彼らの意に反して、その名コピーは時代を超えても人を惹きつけることも、また真実である。

※女性セブン2017年10月12日号

トピックス

亡くなったシャニさん
《7か月を経て…》ハマスに半裸で連行された22歳女性が無言の帰宅、公表された最期の姿「遺体の状態は良好」「肌もタトゥーもきれいに見える」
NEWSポストセブン
別居を認めたMEGUMI
《離婚後の大活躍》MEGUMI、「ちゃんとした女優になる」を実現!「禁断愛に溺れる不倫妻」から「恐妻」まで多彩な“妻”を演じるカメレオンぶり
NEWSポストセブン
日米通算200勝を達成したダルビッシュ有(時事通信フォト)
《ダルビッシュ日米通算200勝》日本ハム元監督・梨田昌孝氏が語る「唐揚げの衣を食べない」「左投げで130キロ」秘話、元コーチ・佐藤義則氏は「熱心な野球談義」を証言
NEWSポストセブン
ギャンブル好きだったことでも有名
【徳光和夫が明かす『妻の認知症』】「買い物に行ってくる」と出かけたまま戻らない失踪トラブル…助け合いながら向き合う「日々の困難」
女性セブン
破局報道が出た2人(SNSより)
《井上咲楽“破局スピード報告”の意外な理由》事務所の大先輩二人に「隠し通せなかった嘘」オズワルド畠中との交際2年半でピリオド
NEWSポストセブン
河村勇輝(共同通信)と中森美琴(自身のInstagram)
《フリフリピンクコーデで観戦》バスケ・河村勇輝の「アイドル彼女」に迫る“海外生活”Xデー
NEWSポストセブン
『君の名は。』のプロデューサーだった伊藤耕一郎被告(SNSより)
《20人以上の少女が被害》不同意性交容疑の『君の名は。』プロデューサーが繰り返した買春の卑劣手口 「タワマン&スポーツカー」のド派手ライフ
NEWSポストセブン
ポジティブキャラだが涙もろい一面も
【独立から4年】手越祐也が語る涙の理由「一度離れた人も絶対にわかってくれる」「芸能界を変えていくことはずっと抱いてきた目標です」
女性セブン
木本慎之介
【全文公開】西城秀樹さんの長男・木本慎之介、歌手デビューへの決意 サッカー選手の夢を諦めて音楽の道へ「パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています」
女性セブン
男装の女性、山田よねを演じる女優・土居志央梨(本人のインスタグラムより)
朝ドラ『虎に翼』で“男装のよね”を演じる土居志央梨 恩師・高橋伴明監督が語る、いい作品にするための「潔い覚悟」
週刊ポスト
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
《元同僚の賭博疑惑も影響なし?》大谷翔平、真美子夫人との“始球式秘話”で好感度爆上がり “夫婦共演”待望論高まる
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン