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「使いこなすのが難しい調味料」酢がようやく復権の兆し

 ガストリックは酢の酸味、焦がした苦味にベースの甘味などおいしさを向上させる味わいの構成となっている。味覚に関する論文で官能試験の結果などを見ると、一定の酸味、苦味、渋味などが含まれた食べ物はうまみを感じる結果につながることが多い。「おいしさ」の決め手は、わかりやすいおいしさの外側にあるのだ。

 酢をベースにした調味料に素材を漬ける「酢フード」も健康食としてラジオなどで取り上げられた。酢玉ねぎ、酢レモン、酢バナナなどの新しいメニューのほか、約30年前にブームになった酢大豆などもこの夏、再び脚光を浴びた。

 醤油やみそを含め、基礎調味料の消費が全般に落ち込むなか、酢は2016年の家計調査の支出額が786円とわずかながら持ち直しの兆しを見せた。実は10年前の酢は、調味料界では年間支出金額トップで、その後の落ち込みもマヨネーズやドレッシングと言った酸味系調味料に食われたという面もある。

 酢への興味関心は増している。“五味”をつかさどる調味料のなかでは、健康面に対する期待値も高い。酸味復権の兆しのなか、酢は王位を取り戻せるか。

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