国内

東名死亡事故被害者の母「私が生きてる間は外に出さないで」

東名夫婦死亡事故の被害者家族は自動車恐怖症に

 東名高速道路で運転妨害を繰り返したうえに追突事故を引き起こしたとして、神奈川県警は過失運転致死傷罪で石橋和歩容疑者(25才)を逮捕した。

 事故が起きたのは今年6月5日。石橋容疑者は、萩山嘉久さん(享年45)、妻・友香さん(享年39)、長女・A子さん(15才)、次女・B子さん(11才)が乗るワンボックスカーの前に自身が運転するワゴン車を停め、東名高速道路下り線の追い越し車線に停車させた。そして、後ろからきたトラックに追突され、嘉久さんと友香さんは死亡した。

 事故から4か月、遺された姉妹は母・友香さんの実家で暮らし、徐々に日常を取り戻しつつある。だが時折、両親との思い出を求めて嘉久さんの母・文子さん(77才)の家を訪れることがあるという。

「結婚した当初はうちで同居していたんです。この家には友香ちゃんの形見のピアノが置いてあり、遊びに来たA子が弾くこともあります。2階のクローゼットには友香ちゃんの着ていた洋服が残っていて、事故後にA子とB子がクローゼットを開けて、ママのスーツをじっと見つめていたこともありました」(文子さん)

 2人の孫を見て文子さん自身も前を向こうともがく日々を送るが、事件の爪痕は心に深く刻まれ、消えることはない。

「今は自動車恐怖症になってしまい、車が近づいてくるだけで怖くて震えてしまうんです…。正直に言えば、容疑者を二度と世の中に出してほしくない。出たらきっとまた同じことをする。せめて私が生きているうちは外に出さないでほしい。懲役7年以下だなんてありえません。誰のための法律なのでしょうか。今後、危険運転致死傷罪の適用を求めて、署名運動も考えています」(文子さん)

 涙を抑えながら、彼女は最後にこう話した。

「今回の件は、事故ではなくて殺人事件だと思うんです。事故は無意識でも起こるけど、事件には悪意がある。容疑者は自分の意思で、人の命を奪ったのです。警察や司法のかたがたは、その本質を間違えないでほしい」

※女性セブン2017年11月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン