冬バテも同じメカニズムなのだが、冬は四季の中で最も寒暖差が大きいため、多くの“冬バテ患者”を生み出す上、夏バテよりも怖いのは、症状が多彩で深刻な事態に陥るケースが多いことだ。池袋大谷クリニック院長の大谷義夫氏(呼吸器内科)が解説する。

「寒暖差による倦怠感や胃腸不調のほかに代表的なものが鼻炎で、『寒暖差アレルギー』とも言われます。特に熱もなく風邪を引いたわけでもないのに、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が出るのです。

 だいたい3℃の差で咳が出やすくなり、10℃差になると、このアレルギー症状が見られるようになります。そうした状態が続くことによって倦怠感や疲労感が募っていく。このような冬バテの状態になると、免疫力も低下して、様々な病気を引き起こします」

 冬バテが厄介なのは、その原因が自律神経だけでなく、血管にもあることだ。

「冬バテと夏バテの大きな違いは、血管へのダメージの大きさにあります。血管は暑いと弛緩し、寒いと収縮しますが、後者の状態が続くと、血行が悪くなる。その結果、手足の冷えやむくみ、肩こりや頭痛などの症状がでます。その影響で不眠症になる人もいます。さらに血行不良で血圧が急上昇することで、脳や心臓などへの影響も心配されます」(前出・大谷医師)

◆脳動脈瘤が破裂

 全身を巡る血管に影響するだけに、冬バテ症状が命に関わる重篤な病気に繋がる危険を伴う。

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