そうした人事が完成すれば、貴乃花グループが旧態依然とした一門支配体制に抗う術はなくなる。にもかかわらず、「八角理事長はまだ何かを恐れているようだ」と語るのは、ある後援会関係者だ。
「理事選1週間前、春日野部屋における過去の暴行事件の存在が“スクープ”された。春日野親方(元関脇・栃乃和歌)が、八角理事長体制を支える最大派閥・出羽海一門の理事候補に決まる直前のタイミングで、4年も前の事件が明るみに出たわけです。貴乃花サイドに、協会内の過去の醜聞情報を握っている人間がいる疑いが強い。まだ何か、理事長の責任問題に発展し、首を取るような“隠し球”を持っていないか、執行部側は警戒を解いていない」
例年、2月は巡業もなく日程に余裕があるため、海外旅行を組む部屋も少なくないが、「今年はどちらの陣営も、何か不祥事めいたことを起こせば、すぐに暴露され、対立陣営から追及される。親方衆は息を潜めて過ごす2か月間になるはず」(前出の協会関係者)だ。
理事選は暗闇の終わりではなく、新たな抗争の始まりの合図……角界に蠢く謀略と怨念は、さらに激しさを増している。
※週刊ポスト2018年2月16・23日号