完成まであと19か月の新国立競技場(4月9日撮影)
桜が散り、清々しい新緑の季節を迎えた東京・外苑前。春の嵐が吹き荒れた直後で競技場上空も風が強く、激しく揺れる機体からの撮影は困難を極めた。だが、強風によって視界は澄み渡り、鮮明な競技場の姿が浮かび上がった。建築アナリストの森山高至氏が解説する。
「4月から予定通り、新国立競技場の外装と歩行者デッキ工事が始まりました。屋根の基礎部分となる根元鉄骨は、向かって右手(東側)から約3分の1まで取り付けられています。梅雨になると未完成の屋根から建物内部に雨が入ってくるので、工事を順調に進めるためにビニールシートなどで屋根上部を覆うことになるでしょう。
すでに根元鉄骨上部の右手から奥(北東側)にかけて確認できる白い物がそのためのビニールではないでしょうか。競技場の全体像がはっきりと現われてきました。そろそろ内部の様子も見てみたいですね」
競技場の左下、外苑西通り沿いの用地(南西側)の一部は、五輪開催中は放送車両の駐車スペースとなるが、大会後は公園に再整備する計画。
撮影■小倉雄一郎
※週刊ポスト2018年4月27日号