「内紛というほどのものではありませんが、当時は、前園(真聖)さんや(中田)ヒデといった自己主張の強いメンバーが多く、西野さんとよくぶつかったのは事実です。西野さんはデータを重視する人で、説明も論理的だった。感情的にならず、選手とのコミュニケーションも上手い。そこはハリル監督とはまったく違うところだと思います。しかし、現実的には(今回のW杯は)時間が少なく“マイアミの奇跡”の再現は難しいでしょう」
準備期間の短さはもちろん、交代の経緯を考えても西野監督はやりづらいはずだ。元週刊サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏が言う。
「ハリルという“重し”がなくなったことで増長した選手が、好き勝手なことをいい出したら、バラバラになりかねません。2006年のドイツ大会、2014年のブラジル大会でチームは分裂し、グループリーグ敗退。チームが一枚岩にならなければW杯では勝てない」
“西野ジャパン”の離陸は最初から空中分解寸前──“ロシアの奇跡”は叶わないのか。
※週刊ポスト2018年4月27日号