これ以上、親友に先立たれたら、こちとら生きている意味がなくなってしまう。先に死んだ方がよっぽど幸せです。だから酒が入るといつも、「オレの方が先に死ぬからな」と言い合いになっちゃう。
私が二ツ目だった20代の頃、小遊三さんと小痴楽さんに「落語家を辞めたい」と打ち明けたことがあるんです。その時に、二人は「辞めちゃダメだ」「考え直せ」と必死に引き留めてくれた。
二人がいなければ、私はとうの昔に、落語界から足を洗っていたと思います。そんな大親友であり、恩人でもある小遊三さんに弔辞を読んでもらえるなら、なんの悔いもありません。“読む側”には、なりたくないですね。
※週刊ポスト2018年5月4・11日号