複数の出席者の話によれば、その場の議論は決して穏やかなものではなかった。騒動は収束するどころか、混迷を増すような雲行きになったという。

「貴乃花親方は“告発状を提出したのは間違いだった”と謝罪した一方、その一部の内容については“間違いではなかった”とも発言した。これを巡り、高田川親方や執行部ナンバー3で巡業部長を務める春日野親方(元関脇・栃乃和歌)、元理事の陸奥親方(元大関・霧島)らを中心に、“本当に反省しているのか”といった声があがり、場所後の理事会でも貴乃花親方の発言について審議することになったのです」(同前)

 こうした経緯もあって、“貴乃花親方の謝罪は本心からのものではないのでは”という空気が場所前から漂っていたのだ。総会では、同じ一門から理事になった阿武松親方(元関脇・益荒雄)が終始、貴乃花親方を擁護したというが、“貴乃花一門”も微妙な状況にある。同一門の親方の一人はこういう。

「一門の名称から『貴乃花』の看板を外したいという申し出が貴乃花親方からあり、“阿武松グループ”になることが決まったが、正直、戸惑っている。これまで貴乃花親方についてきたが、貴ノ岩の事件以来、仲間に相談もなく突っ走った。我々は今でも『10年後には貴乃花親方が理事長になる』と信じているが、一方で、このまま阿武松親方のもとで一枚岩になれるのか、不安も大きくなってきた」

 同じ一門の親方でさえ、どんな行動に出るかわからない。だからこそ、協会執行部の疑心暗鬼も深まっていくのだろう。

※週刊ポスト2018年5月25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ハワイの別荘と合わせて、真美子夫人との愛の巣には約40億円を投資
【12億円新居購入】大谷翔平、“水原一平騒動”で予想外の引っ越し 日系コミュニティーと距離を置き“利便性より静けさ”を重視か
女性セブン
パルテノン神殿での佳子さま
ギリシャをご訪問の佳子さま、パルテノン神殿では青と白の“ギリシャカラー”のカジュアルな装いでお出まし
女性セブン
殺害未遂の現場となった海辺
軽トラで海に突き落とし、雪の上にうつぶせにさせて除雪機で…青森轢き殺し事件の裁判でわかった被告の「凄惨すぎる手口」と判決で一蹴された釈明
週刊ポスト
早くも今夏から『SHOGUN 将軍』新シーズンの脚本に取り掛かるという(写真/CNP=時事)
【独占告白】真田広之と手塚理美の次男・日南人が俳優に 父からのエール「自分のやりたいことをやれ。何かあれば相談に乗る」
女性セブン
不倫疑惑に巻き込まれた星野源(『GQ』HPより)とNHK林田アナ
《星野源と新垣結衣が生声否定》「ネカフェ生活」林田理沙アナが巻き込まれた“不倫疑惑”にNHKが沈黙を続ける理由 炎上翌日に行われた“聞き取り調査”
NEWSポストセブン
1996年11月、山中温泉こおろぎ橋にて 
《大ヒット昼ドラマ『はるちゃん』》“老舗旅館の仲居役”の女優・中原果南が明かしたハマり役その後の葛藤「もがいた30代の10年間でした」
NEWSポストセブン
噺家生活15周年を迎えた月亭方正(撮影/小倉雄一郎)
「僕は居心地がよくなかった」 噺家生活15年・月亭方正が落語にのめり込んだ理由 立川志の輔に「『鼠穴』を教えてください」と直談判
NEWSポストセブン
主犯の十枝内容疑者
【青森密閉殺人】会社社長の殺人を支えた元社員は覚醒剤常習者「目がイッちゃって…」「人を殺すなら中国人に頼めば5〜6万円で跡形もなく……」の意味深発言
NEWSポストセブン
亡くなったことがわかったシャニさん(本人のSNSより)
《ボーイフレンドも毒牙に…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の死亡が確認「男女見境ない」暴力の地獄絵図
NEWSポストセブン
殺人を犯すようには見えなかったという十枝内容疑者(Facebookより)
【青森密閉殺人】「俺の人生は終わった」残忍な犯行後にキャバクラに来店した主犯格の社長、女性キャストが感じた恐怖「怒ったり、喜んだり感情の起伏が…」近所で除雪手伝いの裏の顔
NEWSポストセブン
大谷が購入した豪邸(ロサンゼルス・タイムス電子版より)
大谷翔平がロスに12億円豪邸を購入、25億円別荘に続く大きな買い物も「意外と堅実」「家族思い」と好感度アップ 水原騒動後の“変化”も影響
NEWSポストセブン
杉咲花
【全文公開】杉咲花、『アンメット』で共演中の若葉竜也と熱愛 自宅から“時差出勤”、現場以外で会っていることは「公然の秘密」
女性セブン