ただ、モデル一筋の道よりも「結果が見える分野に進出する方が、芸能人として活躍の場はさらに広がる」と仁科さんは言う。
「セールスが見える音楽の世界や、アカデミー賞のように賞レースがある演技の世界は、実力がわかりやすい。Koki,さんのように両親ともビッグスターの子供は、親の七光りだと言われてしまいがちです。それを払拭するためには実力を示して結果を出すことが大切です。
逆に結果がわかりにくいもの、たとえばテレビのバラエティーに出てしまうと、どうしても自分のエピソードを話すことになるので、マイナス面が際立つかもしれません。最近の傾向として、視聴者は“リア充”だったり“恵まれた環境”を持つ人を嫌います。Koki,さんは生まれた環境が、どうしてもハンディになってしまうでしょう」
両親がトップアイドルだったことは、既に芸能界に人脈があり、金銭的に恵まれているというメリットがある一方で、親の影がマイナスになってしまうというのは前述の通り。親の存在が大きすぎて、芸能界に入ったものの、いつの間にか消えていく2世も少なくない。
「2世が活躍し続けるには、特化したものを持つことも大事です。例えば、松たか子さん(父・二代目松本白鸚)の初主演は、宮尾登美子さん原作のドラマ『藏』(NHK)でした。その後も、宮尾作品には必ずと言っていいほど出演しています。こういった具合に、“○○作品にはこの人”というような看板を持つことが、原作のファンを巻き込んで本当のファンを増やすことにつながりますし、息の長い芸能人になれると思います」
Koki,の今後の課題は、モデル一筋でやるにしても、それ以外の分野に進むにしても、どうしてもつきまとう“親の七光り”のイメージを払拭することだと、仁科さんは改めて強調する。
「先ほどもお話した、実績を上げること。Koki,さんは語学が堪能だそうですから、海外留学して実力でパリコレにモデルとして参加することを目指したり、演技の方向に行くなら単身留学をしてオーディションを受けてハリウッド映画に出演することを目標とするのはどうでしょうか。そこでの生活をSNSで配信すれば、努力する様子が伝わって、女性層へのイメージアップにつながると思います。結果を出せば “親のコネ”とはいわれなくなりますし、日本に凱旋したらますます希少価値の高い芸能人として、活躍の場が広がるでしょう」
いくら実力や個性を身に着けても、親がビッグスターである事実は変わらない。親についてコメントを求められる日は続くだろう。今回の会見では、両親について聞かれ戸惑いの表情を見せたが、どう受け応えるかは今後も注視されるはずだ。