ビジネス

ゴーン事件、司法界の登場人物たちの因縁は相当根深い

逮捕は世界に衝撃を与えた(EPA=時事)

 世界に衝撃を与えた「ゴーン事件」が、“司法界”では、ちょっと違ったかたちで注目を集めている。有価証券報告書への役員報酬の過少記載の疑いで逮捕された日産前会長のカルロス・ゴーン容疑者と前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者はともに「(違法行為に当たる)過少記載でない」と容疑を一貫して否認している。

 ゴーン容疑者の弁護人を務めるのが特捜の“手の内を知り尽くした男”大鶴基成・弁護士だ。特捜部長時代にライブドア事件や村上ファンド事件などを手掛け、最高検検事も歴任した大物ヤメ検である。特捜検察に詳しいジャーナリストの伊藤博敏氏が解説する。

「大鶴氏は最高検検事だった2010年に小沢一郎氏(現・自由党代表)の資金管理団体をめぐる虚偽記載事件で『小沢氏逮捕』を強硬に主張しましたが、結果は嫌疑不十分で不起訴処分。その強引な捜査手法に批判が集まり、“検察不信”を招きました。この時、小沢氏側の弁護を務めて特捜部と対峙したのが、ケリー容疑者の弁護人である喜田村洋一氏。かつての敵が今回、“共同戦線”を張ることが、司法界でも話題となっています」

 捜査を指揮する“敵側”には、大鶴氏が特捜部長時代に、部下として頭角を現わした森本宏・特捜部長がいる。昨年9月に就任以降、リニア新幹線談合事件や文科省汚職事件などを立件し、「検察庁のエース」と目される人物だ。

「かつての上司を相手に、森本特捜は強気の姿勢を崩していない」(前出・伊藤氏)とされるなかで、さらに司法界で注目が高まっているのは、特捜に情報提供する日産側にも、複数の“検察OB”の名前が挙がっているからだ。「逮捕に至るまで、司法取引などについてヤメ検の熊田彰英、名取俊也の両弁護士に逐一相談していた」(全国紙司法記者)とされる。名取氏は現役時代、「将来の検事総長候補」(同前)と呼ばれた人物だ。

関連記事

トピックス

前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン